これだけは押さえたい!事業担当者が知るべき個人情報保護の基礎知識とは
顧客データや従業員データを扱う企業にとって、個人情報保護への対応は今や避けては通れない最重要課題となっています。技術の進歩や国際規制の変化にあわせて法令もアップデートが繰り返され、企業にはより高度な管理体制と実効性ある運用が求められるようになりました。
本記事では、事業担当者が押さえておくべき個人情報保護の基礎知識から最新の法改正、そして社内で整備するべき体制づくりや具体的な取り扱い方法までを分かりやすく解説します。
個人情報の定義と種類
日本の個人情報保護法上、個人情報とは「生存する個人を識別できる情報」のことを指し、本人を特定し得る氏名や住所、電話番号、顔写真などだけではなく、ほかのデータと照合すれば誰か分かってしまう情報も含まれます。さらに法改正の流れの中で「個人識別符号」という概念も整理され、生体データ(顔認証情報や指紋・虹彩など)や公的に割り振られたID番号(パスポートや免許証、マイナンバー等)は、それ自体が個人を一意に特定できることから、個人情報として保護が求められるようになりました。
また、機微な情報については「要配慮個人情報」という特別区分があり、人種や信条、病歴、犯罪歴など、取得そのものが厳しく規制される項目が存在します。こうしたデリケートなデータを社内で扱う必要があるときは、本人の明示的な同意や法的根拠をしっかり確認し、取得後も取り扱い範囲を最小限にとどめる 配慮が欠かせません。
個人情報保護に関する法令とルール
日本では2005年に個人情報保護法が全面施行されて以降、社会情勢と技術環境の急速な変化に合わせた改正が繰り返し行われてきました。特に2022年施行の改正では、漏えい事故が生じた際の報告義務が強化され、本人への通知や委員会への報告を怠ると行政処分や罰則の対象となります。また、外国に個人データを提供する場合の規制も厳格化し、提供先国の法制度や保護措置を本人に分かりやすく明示する義務が加わりました。
グローバルに事業を展開する企業は、日本国内だけでなく海外規制にも目を配る必要があります。欧州や米国の規制に抵触しないよう導入段階から対策を講じる例が増えています。日本国内だけを対象としたつもりのビジネスでも、海外ユーザーが利用する可能性がある場合は、GDPRなどの海外法令が適用されることがあります。
さらに金融、医療、通信、ECといった業界特有のガイドラインや省庁通知も存在します。たとえば銀行や証券会社などの金融分野では、顧客資産に直結する情報が含まれることから、より厳重な本人確認や機密保持義務が課されています。医療業界では診療情報やカルテ、健康診断結果など要配慮個人情報が扱われるため、取得と利用の手続には特別の注意が求められます。こうした業界独自の規制と一般法の両方をあわせて満たすよう対応することが、企業の大きな課題となっています。
個人情報管理の基本方針と体制づくり
企業が個人情報を扱うにあたっては、まず「プライバシーポリシー」を定め、社内外に公表することがスタート地点となります。そこには利用目的や問い合わせ窓口に加え、安全管理策や会社所在地など、改正法で義務化された事項を漏れなく記載します。法令だけでなく自社の実情に合ったルールを宣言し、ウェブサイトや社内イントラなどでいつでも確認できる状態にしておきましょう。
続いて、社内の責任体制の明確化が重要です。多くの企業では個人情報保護管理者を任命し、その人物が全社的な個人情報保護の推進役を担います。具体的には、全体方針や社内規程の策定、リスク評価と対策の実施、従業員教育や内部監査の指揮、万一の漏えい事故対応などを一括管理します。管理者には法務やセキュリティに通じた管理職レベルを充て、経営層の十分なサポート体制を築くことが欠かせません。中小規模の組織でも兼務で構わないので、責任者を立てておくことでリスク管理がスムーズになります。
さらに、従業員の教育と意識啓発を継続的に行うことが、日常業務でのミスや不正を防ぐうえで効果的です。入社時研修や年次研修だけでなく、テストの実施や資格取得の奨励、ポスター掲示などで注意喚起を習慣化している企業も増えています。違反行為に対する懲戒規定を設けるのはもちろん、模範的な取組みを表彰するといったポジティブな動機づけも取り入れることで、現場の士気やモラルが高まりやすくなります。こうした教育を定期的に行い、社内のすべての部署が個人情報保護への意識を共有する文化をつくることが、長期的には最も有効な対策となります。
個人情報の適切な取り扱い方法
取得の段階では、目的を偽らない正当な手段で集めることが鉄則です。ウェブフォームやアンケートで収集する場合には、利用目的や問い合わせ窓口を明示し、要配慮個人情報を含むなら本人の同意をきちんと得てから取り扱います。防犯カメラ映像などのように、一見するとただの映像データでも、ほかの情報と突合して個人が特定できるなら個人情報となるため、目的外利用や長期保存には十分な管理が必要です。
保有している間は組織的・人的・物理的・技術的な多層防御を整える必要があります。 組織面では責任分担や監査体制を確立し、人的面では従業員との守秘義務や権限分掌を徹底します。物理的にはオフィスやサーバールームへの入退室管理、書類の施錠保管、廃棄はシュレッダーや溶解処理により復元できない形にします。技術的にはID・パスワードの適正管理、通信やデータの暗号化、アクセスログのリアルタイム監視など、近年はゼロトラストセキュリティや多要素認証などの概念も導入が進んでいます。ノートPCやUSBメモリを社外に持ち出すなら、暗号化を必須として紛失時のリスクを最小化する仕組みを築いておきましょう。
外部に個人データを提供する場合、委託先や提携先との契約も鍵となります。再委託の制限や漏えい時の連絡・報告体制などを細かく定め、定期的に監査できる仕組みを作っておく必要があります。サーバーが海外にあるクラウドサービスを利用するときは、その国の個人情報保護制度や政府当局によるデータ開示のリスクなどを調査し、本当に安全性が確保されているかを本人に説明できるようにしておかなければなりません。
さらにデータが不要になった段階での削除や廃棄も、個人情報保護を完結させるための大切なプロセスです。保管期限が切れた情報は放置せず、電子データであれば専門ソフトなどで復元不可能な形にし、紙の場合はシュレッダーや溶解処理を行います。ダラダラと保管を続ければ漏えいリスクが高まるだけでなく、本人から開示や削除請求があった場合にトラブルになることもあります。 最小限の期間だけ保管し、こまめに処分し、適切に運用しましょう。
まとめ
このように個人情報は取得から廃棄に至るまで全ての工程を通じて厳格な取扱いが求められます。情報漏えいが生じた場合は、ただちに委員会や本人への報告義務を履行し、再発防止策を講じる手順を定めておくことも不可欠です。社内規程と教育、技術的セキュリティの両輪を上手に連携させながら、企業として「信用を預かる責任」をしっかり果たしていくことが、これからの時代の必須要件といえるでしょう。
今日では個人情報は適切に扱い管理・保護しなければいけない意識が社会的に高まっています。アセスメントがしっかりしていないと法令違反のリスクだけでなく、風評被害・炎上などさまざまなトラブルの元となってしまいます。当サイトでは個人情報保護の適切な管理に興味がある方へ、「AutoPrivacy Governance 製品資料」や他にもさまざまな「お役立ち資料」を無料でご用意しています。ぜひダウンロードいただき、資料をご覧ください。
また、個人情報保護のアセスメントに特化したツール「AutoPrivacy Governance」ではデモや無料のトライアルが可能な環境もご用意しています。ぜひお気軽に、問い合わせフォームよりお問い合わせください。
ぜひ、実際に触っていただき、ツールを活用したアセスメントに挑戦してみてください。
AI活用のセキュリティ課題、専門家に相談しませんか?
ガイドライン策定からシャドウAI対策まで。貴社の状況に合わせた最適な「守り方」をご提案します。現状の課題整理から、お気軽にお問い合わせください。